水冷服自作キット

真夏の昼間に、連続2時間の屋外活動ができますか？

地球温暖化の影響で、日本の夏は年々過酷さを増しています。
最高気温や熱中症搬送者数は、毎年のように記録を更新。
そんな環境で、本当に力を発揮できるでしょうか？

今ある暑さ対策だけで、本当に十分ですか？

サングラスの着用が許可され、ネックアイスの使用も認められるようになりました。
しかし サングラスは冷却には関係なく、ネックアイスはわずか5分ほどで効果が消えてしまいます。

また、屋外作業の現場で広く使われているファン付き作業服は、
防刃ベストからはみ出してしまい、外観上の制約があります。
さらに、ファンの作動音が無線通信に干渉することも。

「安全」と「実用性」を両立した、真に有効な酷暑対策...
本当に、できているでしょうか？

私は、交番勤務や機動隊で活動する警察官 約30名に対して、酷暑下の勤務実態を独自に調査しました。
その声から浮かび上がった現場の課題をもとに、問題を根本から解決する ──
そんな専用設計の製品を、開発することにしたのです。

“水冷服”をご存じですか？

背中のタンクに保冷剤と水を入れ、ポンプの力でチューブに冷水を循環させ、身体を冷やす装備です。

この水冷服は、冷却部材が肌に直接触れず、冷水が服内をめぐる構造のため、
強すぎない、穏やかな冷却が長時間持続します。

「冷やしすぎず、持続する」──
酷暑現場に最適な新しい選択肢です。

本製品は、防刃ベストの内側に装着する冷却装備です。
外観には一切現れず、着用していることは周囲にまったく気づかれません。
見た目を変えず、密かに身体を冷やす ── それが「ステルスクーラー」という名前の由来です。

構成はシンプルで、主に4つのパーツから成り立ちます。
保冷剤と水を入れるためのタンク、冷水を循環させるポンプとチューブ、
そしてポンプに電力を供給するモバイルバッテリー。

ポンプとバッテリーはサイドポケットに収まり、
タンクとチューブは極細の結束バンドで防刃ベストに固定するだけ。
既存の装備を大きく変える必要はありません。

要となるポンプは、国立大学発のスタートアップ「合同会社NEKOMOT」との共同開発。
防刃ベストの内側にこのキットを装着することで、
『防御装備そのものを冷却装置に変える』── 専用設計による革新的な製品です。

業務用エアコンを用い、室温36℃の環境下で着用実験を実施しました。

その結果 ──
保冷剤が完全に溶けるまで約1時間30分、冷却水の体感効果が続いたのは開始からおよそ2時間10分。
使用したモバイルバッテリー（本製品付属の10,000mAh）は、連続で約16.5時間の駆動を記録しました。

また、ステルスクーラーを装着した模擬防刃ベストの表面温度をサーモグラフィカメラで測定したところ、
前面で約16℃、背面で約25℃まで低下。
室温・体温との差は最大で約25℃に達し、身体を確実にクールダウンさせることが確認されました。

この実験から、『約2時間ごとの保冷剤交換』と、『仮眠時間中に1度だけバッテリーを充電』する運用で、
1日を通して安定した冷却効果が得られることが実証されました。